佐渡の姉さん

 

佐渡の南のはしっこ、小木にあるヒガナさんとの出会いは1年前の初夏。

新潟市の本屋さんで佐渡の写真展をすることになり、何か島の物を一緒に

販売できたらと探していたとき。インターネットでお店のことを知って

焼菓子が大好きな私は、はりきって小木を訪れたのだった。

 

お店は港のすぐそばに立つ白い一軒家。

中に入るとアンティークのガラス棚にクッキーやマフィンが並んでいる。

栄養士で、マクロビオティックの勉強をした店主 長谷川さんのつくるお菓子は

卵やバターを使っていない。季節ごとに佐渡でとれた果物などが入ったりする。

派手なルックスではないけれど、かみしめるほどにしみじみとおいしい。

目をつむって味わいたくなるスルメのようなクッキー、そんな印象だ。

 

写真展がはじまるとヒガナさんのクッキーはあっというまに完売してしまい、

追加してもらうほど大人気だった。それ以来、困ったことがあると相談に

のってくれるかっこいい長谷川さんのことを、佐渡の姉さんと呼んでいる。

 

この夏も、小木で開催されたお祭りに合わせてヒガナさんに行ってきた。

開店すると店内は人であふれ、クッキーやマフィンがすごい勢いで売れていく。

観光客の人が帰りお店にゆったりした空気が流れはじめたころ、近所の人たちが

ぱらぱらとお茶を飲みにやって来た。さざえや、いももちなど差し入れも一緒に届く。

「今日は何にする?」常連さんとそんな気軽なやりとりが交わされるのを

うらやましく聞いていた。お祭りの期間中はたくさん人が来てにぎやかだけど、

いつもはこんな感じなんだろうなぁ、とのんびりした島の日々を想った。

カフェであり、店主との会話を楽しんだり、情報を交換する大切な場所。

 

今日もきっと長谷川さんは島のはしっこでクッキーを焼いている。