つまるところ、愛

 

なぜフィルムで撮っているのか?と聞かれることがある。

 

私が写真を撮りはじめた頃はほとんどがフィルムで初めて手にしたカメラは

「写ルンです」だった。中学校の友達を撮っては、いとこのお姉さんが働く

写真店に持っていく。できあがるまでの数日、楽しみでそわそわ待っていた。

ほかの親戚も写真館をしていたり、写真を撮るのが好きなおじさんが多いから

もしかしたらそーゆう家系なのかもしれない。

 

35ミリのネガを手にとって光に透かしてみるとちいさな一コマに大切な

ひとや風景、思い出がちんまりとおさまっていてそれがとっても愛おしい。

デジタルみたいに撮影してすぐに確認できないけれど、現像を待っている

そのゆるやかな時間も自分にとっては必要な気がしている。

 

暗室でプリントするのが好きというのもある。

暗い部屋のなか、たしかこの辺にあったはずと手探りで作業をすすめる。

ピントを合わせて慎重に印画紙をセットしたら、息を整えてからそっと

露光のボタンを押す。それはまるで祈りやおまじないのようだ。

きっと、プリントに撮ったときの気持ちまで焼きこんでいる。

 

フィルムで撮る理由。それはつまるところ、愛なのだと思う。