- 2024.02.12 Monday
バレンタインデー
パフュームのチョコレイト・ディスコを聴いたりして、
わけもなくテンションをあげたくなるこの時期。
あれはたしか小学3、4年生くらいの頃だったと思う。
同じクラスに好きな男の子ができた。スラっと背が高くて
スキー部のその子は冬になるとゴーグル焼けをしていた。
ちょっとクールで、どちらかと言うと近寄りがたいタイプ。
席替えで奇跡的に隣になれたときはうれしくて、毎朝今日は
この話題を話そうと考えながら登校していた。
仲良くなれたわけじゃないけど、ぎこちないながらぽつぽつ
話した。
バレンタインが近づき、勇気を出してチョコレートを渡そうと
決めた。それまでもクラスの男子に義理チョコを渡したような
気はするが、本命は初めてである。
我ながらがんばったなと思う。
できるだけこっそり渡せないものか…歳の離れた姉に相談したところ、
英語で名前を書けばいい!ナイスアイディア。
当時、英語を読める小学生はほとんどいなかったはずだ。
近所の商店でチョコレートを買い、かわいくラッピングされた
小さな箱の裏にアルファベットで自分の名前だけ書いて当日の
朝早くその子のゲタ箱に入れた。
バレンタインの日は女子も男子もなんだかそわそわしている。
なんなら学校全体がそわそわした雰囲気だ。
教室でひとりドキドキする私。
大丈夫、きっとチョコを発見しても誰からかわからないだろう。
ついに友達たちと連れ立ってその子が教室に入ってきた。
手にチョコを持っている!
そして、裏に書かれた名前をはっきりと読み上げる友達。
きみ英語、読めたんか。