うつくしい鶴

 

少し前のこと。神奈川県の真鶴へ行ってきた。

テレビや本で見てからなんとなく気になっていて、遠いと思っていた

けど調べてみたら家から2時間ほどで着くらしい。

ちょうど熱海で見たい展示もあって、いい機会と出かけることにした。

 

熱海は昭和のリゾート地という雰囲気が残っていて、とても好きな町。

泊まってみたいホテルや、行きたい喫茶店がたくさんある。

目的の展示を見て、海の前にある喫茶店に立ち寄ってからモーレツに

うしろ髪を引かれつつ、電車で2駅となりの真鶴へ向かった。

 

平日にもかかわらず観光客で賑わっていた熱海とちがい、真鶴駅は

静かで穏やかだった。ほっとして、ベンチでひと休みする。

ほとんど何も調べずにきた。どこに行こうかなぁ。

高台から町を眺めようと案内所で地図をもらったけど、気の向くままに

歩いていたらなぜか足は海の方に向かっていた。

まぁ、いいか…そのままぐんぐん坂を下って漁港にたどり着いた。

 

春らしい、うららかな午後。

絵を描いている人、釣り糸を垂らしている人がちらほらいる。

漁師さんたちが楽しそうにおしゃべりしながら網の手入れをしていた。

群れで泳ぐ小さな魚や、停泊する船をみたりのんびりしたいい時間

だった。どこに行っても自分の過ごし方は変わらないんだなと思ったら、

呆れてちょっと笑えた。

 

あとで知ったのだけど、真鶴には「美の基準」というまちづくりの条例

があり、そのおかげで昔ながらの美しい町並みが守られているそう。

そういえば高層マンションやショッピングモールはなく、坂道の途中に

お肉屋さんや床屋さんがあったり、小さな公園があちこちにあった。

のどかでなつかしい感じがして、とても居心地がよかった。

 

帰りに駅前にある商店で神奈川の特産の湘南ゴールドを買った。

黄色くてかわいい柑橘が、袋にぎっしり入っている。

大満足の小さな旅だった。